ヤドカリもタニシも殻に体を覆われていて、水中で生活しているところは似ています。

しかし、見た目の似ているこの2つの生き物のどこかに違いはないのでしょうか?

ヤドカリとタニシの違いをテーマにして話を進めていきたいと思います。

ヤドカリとタニシの違いは?

まず、両者において「殻」に違いが見られます。

それは、ヤドカリはその名の通り他の貝類の殻を借り、背負って生活しているからです。

それに対し、多くのタニシは赤ん坊のころから殻付きのまま生まれてきて、成育していきます。

次に、それぞれの生活環境の違いです。

ヤドカリの多くは、潮間帯から水深数百mの深海までに生息しています。

種類によって汽水域波打ち際岩礁サンゴ礁、砂泥底などの環境に棲み分かれています。

一方、タニシは水田や池沼、湖、用水路などの淡水域で暮らしています。

さらに、両者において食性の違いが見られます。

ヤドカリ タニシ 違い

ヤドカリの食性は雑食性で、藻類、生物遺骸、デトリタスなどを食べて生活しています。

デトリタスとは、水中に沈殿しているいろんなものをまとめて指します。

タニシは、物の表面に着生した藻類などを削り取って食べたり、水底の沈殿物を食べたり、水中の懸濁物をエラで集めて食べたりもします。

最後に、殻に共生生物の有無が見られる点です。

ヤドカリは、自分の殻にイソギンチャクを住まわせているものがいます。

ヤドカリの種によっては、イソギンチャクを見つけると自分の殻の上にそれを移し替える行動を持つものがいます。

その場合、イソギンチャクの基部をヤドカリが鋏で刺激すると、イソギンチャクは素直に基盤を離れます。

イソギンチャクは移動することができること、砂泥底の部分でも行動することができます。

ヤドカリの側では、イソギンチャクの刺胞によって、タコなどの天敵の攻撃を避けることができます。

タニシには、このようなお互いが利益を得るような共生関係は見られません。

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まとめ

ヤドカリとタニシの違いは、4つ見られました。

外見的な特徴、生息している場所、食べ物の好み、共生関係の有無と、ほとんど似ているところはありません。

同じ「殻」のある生物ですが、まったく異なる生活をしていることが分かりました。

 

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