「駆除」というと、タニシを退治することばかりに目が向きます。
しかし、日本にはタニシを活用して水草の駆除を行っている方がいます。
今回は、タニシと駆除をテーマにして話を進めていきたいと思います。
水田を荒らすジャンボタニシを駆除するには?
卵と成貝で駆除の方法は異なります。
卵であれば乾燥していないと孵化できません。
ですから、産卵された卵を草の葉や茎ごと摘み取り、水路へ投げ捨てれば完了です。
ジャンボタニシの成貝であれば、いくつか方法があります。
まず、水路からの侵入を防止することです。
水の出入り口に網目の細かい袋を取り付け、ジャンボタニシが入ったら除去する方法です。
次に、期間限定ですが、冬期の間に田を耕して、ジャンボタニシを凍死させる方法です。
ジャンボタニシを利用して水田の水草を駆除することに成功!
熊本で稲本農園を営んでいる稲本薫さんへのインタビュー記事をもとに進めていきます。
ジャンボタニシはイネの苗も食べますが、雑草も食べることに着目した稲本さん。
そこで、扱い方次第では、農家に有益と判断して試行錯誤されました。
たどり着いたのは、水田の水かさを調整することで、ジャンボタニシに雑草だけを食べさせることに成功したそうです。
すべての雑草に対して有効なわけではありませんが、草取りの労が少なくなったと語ります。
肥料に与えるものはわらくらいで、化学肥料は使わないそうです。
それでも、化学肥料を使って育てたコメとほぼ変わらない収穫量を誇ります。
しかも、コメの腐敗速度は通常のコメより遅いという良いこと尽くしです。
これは、大学の研究機関で検査してもらった折り紙つきの結果です!
まとめ
ジャンボタニシは駆除するものばかりといったイメージが先行していましたが、
このようにうまく活用して農業に取り組むことができるのですね。
一番驚いたのは、化学肥料を使わない方が長持ちするいいコメができることです。
自然の摂理を生かした農業が本当の在り方なのかもしれませんね。