海水に暮らすサザエと淡水に生きるタニシに、実は意外な共通点がありました。
どちらも殻に藻類が付着します!
そこで今回は、サザエとタニシの殻に着く藻類の正体に迫りたいと思います。
サザエとタニシに付着する藻類にはどんな特徴が見られるの?
これから載せる情報は、東邦大学のホームページを参考にしています。
サザエやアワビなどの殻に植物、すなわち海藻が着くことは珍しくありません。
サザエやアワビの殻には、紅藻や無節石灰藻という海藻が見られます。
深紅色をした石のようなものや、赤や緑や褐色のひらひらした葉や針金のようなものが付着しています。
その他に、殻状藻と言って、葉や茎や根がないこんもりしたフェルト状のものが貝の上に着いていることもあります。
これらの藻類には基質特異性がありません。
ですから、サザエに着く藻類が岩の上や他の貝の上にも着くことがあります。
一方、タニシに着く藻類には気質特異性が見られます。
タニシに付着しているのは、ジュズモなどの緑藻の一種です。
磯に見られるスガイという貝にも、カイゴロモと呼ばれる藻が付着します。
淡水の巻貝であるタニシにもこれに似た緑藻が着きます。
この緑藻を「タンスイカイゴロモ」と仮称されました。
日本のタニシの上に生育するタンスイカイゴロモは分枝しないものと分枝するものがあります。
ですから、少なくとも2種存在するようです。
今のところ、この2種のタンスイカイゴロモはタニシ以外からは見つかっていません。
おそらくタニシ以外には付着せず、川や湖の水草の上とかコンクリートの上や岩の上などには生育しないだろうと予想されています。
しかし、なぜタニシの上に緑藻が付着するのかについては分かっていません。
まとめ
サザエとタニシの殻に藻は着きますが、その特徴は異なっていました。
サザエの殻に着く藻は、他の貝の上でも生活することができます。
一方、タニシの殻に着く藻は、タニシの上でしか暮らすことができません。
さらなる研究が待たれます。