「タニシ」と名前がつくものは、日本にもいろいろいます。
しかしながら、厳密にはタニシとは別の種類であったりすることもあります。
そこで今回は、3種の貝の見分け方をテーマに話していきたいと思います。
サカマキガイ、スクリミンゴガイ、石巻貝のさまざまな違いと見分け方は?
まず、外形的な違いを挙げます。
サカマキガイは、多くの巻貝が右巻きであるのに対して、左巻きという大きな違いが見られます。
殻の表面には光沢が見られ、色は淡い褐色または淡い黄褐色です。
また、殻が薄く半透明であるため、中の貝が透けて見えることから、黒っぽい貝のようにも見えます。
石巻貝は、殻径2cmくらいのほぼ球形をしていて、大きな個体は殻頂部が欠けていることが多いです。
殻表面は黒褐色または緑褐色で、微少な三角の模様が密に拡がっています。
フジツボなどを背負っているような個体も見られます。
スクリミンゴガイは通称ジャンボタニシと呼ばれ、殻高は5cmにもなる大型の巻き貝です。
次に、生息している場所が異なります。
サカマキガイは、基本的には河川に生息しています。
都会の汚染された水や溝などにも生息できるほど適応能力が高いため、かなり幅広い場所で見ることができます。
スクリミンゴガイは、全国各地の水田で目にすることができます。
石巻貝は、汽水域、淡水域の岩や転がった石などの上に生息しています。
さらに、それぞれに食性の違いを見ることができます。
サカマキガイは、食性は幅広く、植物の残骸や動物の死骸まで食べます。
スクリミンゴガイも、雑食性で、植物質、動物質を問わず、水中の有機物をいろんなものを摂食します。
石巻貝は、岩石の表面を這って、そこに付着した藻類などを食べ生活しています。
その食性から観賞魚水槽のタンクメイトとして壁面のコケ取り用に販売、利用されています。
まとめ
外形的な特徴から、サカマキガイ、スクリミンゴガイ、石巻貝の3種を見分けることは簡単です。
また、生活環境や食性にも違いを見ることができます。
こうして見ると、見た目は「タニシ」に似ていますが、生活のスタイルが大きく違うものがいることが分かりました。