夏も近くなると水田などで異様な光景を目にしたことはありませんか?
ピンクの丸い粒のかたまりが草の茎や葉に産みつけられているのを!
この卵を産んだ外来種のタニシをテーマにして、今回は話を始めていきます。
外来種のタニシの名称は?
通称ジャンボタニシと呼ばれ、イネの苗に被害をもたらす害虫として知られています。
正式名称はスクリミンゴガイと言います。
1981年に台湾から日本へ食用として持ち込まれました。
その2年後には、なんと35都道府県に500カ所の養殖場が設けられました。
しかし、需要が伸びず、採算が取れないため廃棄されたものが全国へ広まりました。
このタニシの変種は、現在「ゴールデンアップルスネール」という名称で流通しています。
外来種のタニシの特徴は?
日本に住む他のタニシと大きく異なるのは、次の3点です。
まず、卵を産む点です。
日本に住む他のタニシの子どもは、メスの体内から稚貝の姿で生まれてきます。
ジャンボタニシの卵のピンクが示すように、内部には神経毒を含んでいます。
この卵の天敵は日本には存在しません。
次に、水中を浮遊するものをこして食べることを行いません。
移動速度がとても速く、植物質、動物質を問わず幅広く摂食します。
最後に、寄生虫の中間宿主であることです。
ジャンボタニシの体内に、広東住血線虫などの寄生虫を宿していることがあります。
加熱が不十分だった場合、寄生虫が感染し、死に至ることもあります。
まとめ
外来種のタニシが持ち込まれた目的は食用とするためでした。
人間の身勝手により全国各地に広まり、イネの苗が被害を受けています。
ジャンボタニシに見られる大きな特徴は3つありました。
外来生物による被害は元をただせば、結局人間が悪いのだなと反省させられます。