本来の意味から外れて、小さな水辺に水草や小魚などを飼育する環境を「ビオトープ」と呼ばれています。
では、どんなタニシがビオトープに向いているのでしょうか?
そこで今回は、これをテーマにして話を進めていきたいと思います。
ビオトープに向いているタニシは?
「ヒメタニシ」と「オオタニシ」をおススメします。
両者ともに生息域が広く、北海道から九州まで住んでいます。
ヒメタニシは、沼、小川、水田の用水路などの浅いところに見ることができます。
岩や石などに付く藻を主食としています。
植物プランクトンの大発生を抑え、汚泥を積極的に食べ、水質浄化に役立つことが知られています。
また、ビオトープにおいても大敵となるトロロコンブ状のアオミドロをよく摂食します。
繁殖は容易ですが、卵胎生で生まれ、その数も少ないことから調整がしやすいのも魅力です。
オオタニシは、水質、水温に対する適応能力が高くとても丈夫です。
特別に餌を与えなくても、コケや有機物を食べて生きることができます。
酸素が不足したり、水質が悪化したりすると水面付近に上がってきます。
アンモニアや亜硝酸塩が多くなると殻を閉じてしまうので水質の指標にもなります。
高水温に比較的強い種ですが、水量の少ない水鉢などでは水温が上がり過ぎないように注意してください。
極端に酸性が強い環境はあまり好みません。
まとめ
ビオトープ向きのタニシは、全国各地で見ることのできる2種でした。
ヒメタニシは、アオミドロや汚泥などを摂食し、水をきれいに保ってくれます。
オオタニシは、環境への適応能力が高く、コケや有機物を食べます。
また、環境悪化のサインを知らせてくれる生き物でもあります。
ですから、ビオトープにこれら2種のタニシを利用すると、水質の管理がしやすくなります。