食物連鎖の中で、タニシも他の生物に捕食されることが見られます。
捕食者の1つとして有名なホタルの幼虫は、タニシの仲間を好んで食べます。
ゲンジボタルとヘイケボタルが好むタニシについて、紹介したいと思います。
ゲンジボタルの幼虫が好むタニシは?
カワニナと呼ばれ、ゲンジボタルの幼虫が好んで食べるエサとして有名です。
殻は細長く殻高は2㎝~4㎝くらいです。
殻の表面には細かい線が並んでいますが、それ以外に目立った模様は見られません。
水がきれいでやや冷たい流れのある川や水路などに広く生息しています。
山間部であれば、田んぼなどでも見ることができます。
殻の形や色はバリエーションに富んでいます。
同じ河川であっても流れがある上流域には太丸型が、下流域では細長型になるそうです。
殻の色や模様も、褐色、緑褐色、黒っぽいもの、筋模様があるものなどいろいろと存在します。
ヘイケボタルの幼虫が好むタニシは?
モノアラガイと呼ばれ、これもよく見かける巻き貝の1つです。
池沼や水田、用水路、川の水草や石の表面などに付着していて、水草が繁茂している場所に多く見られます。
殻高は1.5㎝~2㎝くらいで、体層が大きく発達し、殻口が大きいのが特徴です。
タニシのように殻口にフタをもっていません。
殻は非常にもろく軽くつまんで潰せるくらいの薄さです。
水槽のレイアウト用に、外から水草を持ち帰ると、もれなくモノアラガイもついてきます。
水槽に入れてしばらくすると、ゼラチン質に覆われた卵塊がところどころに見られるようになります。
そのうち水槽内はたくさんの稚貝であふれてしまいます。
一般には水底や水草などをはって移動しますが、水面に逆さにはりついて移動することも見られます。
まとめ
カワニナはゲンジボタルが、モノアラガイはヘイケボタルの幼虫が好んで食べることが分かりました。
ホタルの幼虫もエサを食べわけることで、それぞれの種を保存してきたとは、とても意外でした。
被捕食の観点からタニシを見ると、また違った発見があり、おもしろかったです。